ほったらかし温泉

限界になったので中央道を走ってほったらかし温泉まで行ってきた.ちょうど桜の散る時期で,湯船に花びらが浮かんでいて良かった(当然ながら写真なし).都心で車を借りて日曜キャンプ・月曜早朝出発で何事もなかったかのように出勤できてしまうのではないかと思い,ザックを買う算段をしているところ.

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ふおおお

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富士山(関係者専用)

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なんかいた

RAW現像

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GRレンズはコントラストが高く周辺減光が強い.イメージコントロールをポジフィルム調にしておくと,何を撮ってもそれなりに今風の絵になる.背面モニタで見て良いなと思ってシャッタを切っているので,RAW現像もそういった方向性にしたほうがしっくりくることが多い.

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現像前後の比較

写真は真を写すものではないという教義を採用しているので,壁のシミを消したり,そこにない光を付け加えたりとやりたい放題である.GRでやることではないような気も少しするが,こだわらない方向でいきたい.

とはいえ,良い生成モデルを搭載し,ボタンを押すと適当な絵が出てくるレンズも付いていないような箱があったらどうするか(そろそろ現実的になりつつあるだろう)という問いはありうる.究極的には,自らの手で取捨選択を行ったという事実と,一意性があればよいのかなと考えている.めんどくさいオタクなのでそうなったらなったで嫌がりそうな気もするが,一度生まれ変わるかカメラに関する記憶を消すかして,生成モデルネイティブ世代になってみないとわからない.Crypko みたいなものだと考えると,案外すっと受け入れるかもしれない.

GR III 4日目

新しめのセンサだけあって,ダイナミックレンジはそれなりに広い.いわゆるフルサイズには劣るのかもしれないが,空を背景に入れた写真を何も考えずに撮れるのは大きな利点だと感じる.

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露出はわりといい加減にできるが,構図ばかりはどうしようもない,後処理でトリミングすると広角らしさが失われるような気がするので, Lightroom でいらないものを消す方向で検討.消せそうなら気にせずそのまま撮るのがよさそう.

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シャッター速度 1s でもブログに載せるくらいなら気にならない.ダイナミックレンジが広いので,ヘッドライトの質感を Lightroom のハイライト補正で回復することができる.手ぶれ補正の搭載はかなり嬉しい.

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総じて軽やかで,散歩にはこれ以上ないくらい良いカメラだと思う.

GR III

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今まで使っていた RX100M3 がいい加減くたびれてきたのと,画質に不満を感じ始めた(霞のかかったような感じは現像でも救えないことがある)ので,ちょうどよいタイミングで発売になった GR III を買うことにした.個人的にはレフ機に技術的優位はほとんどないと思っているが,さりとてPENTAXがモダンな設計のマウントでミラーレスを出すのかどうかよくわからないし,どうやらUXはかなり良さそうだということで購入を決めた.

世評ではストリートスナップに最適とのことだけれど,これだけレンズの性能がいいと(+値段が高いので)どうしても構えてじっくりと撮りたくなってしまう.

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春に咲く花は細かいものの寄せ集めといった風情があってかわいらしい

光量が十分あればすばらしい体験が得られるが,暗いとAFが迷う云々は予想よりかなりひどいといってよく,2019年発売のカメラだとはにわかに信じがたい.僕の場合はそもそも夜間に写真をあまり撮らないのでどうでもよいが,気にする人が予約注文していたら怒り心頭だろうとも思う.

広角単焦点の楽しさは街自体の魅力にかなり依存するところがあり,京都在住各位がうらやましくなる.全てをなげうって京都に移住できない境遇なのが悔やまれる.

2018年に買って良かったガジェット3選

iPad Pro 12.9 Cellular (第三世代)一式

以前使っていた iPad Pro は 10.5 インチ Wi-Fi モデルで,次のような欠点がありました.

  • 絵を描いていると画面の狭さに不満がある
  • 一々携帯電話に繋げてテザリングするのが面倒で,隙間時間に取り出さなくなる.結果,携帯電話の狭い画面を覗き込むことになる
  • 使いたいときに Apple Pencil が充電されていない

画面サイズを除いて,以上の欠点がほぼすべて解消されました.携帯性は筋肉と気合で解決することにしましたが,今のところ順調です.Apple Pencil の描き心地にも特に違和感はありません.

Financial Times

Financial Times (FT) は経済紙のひとつで,一般的には経営・金融などの方面で読まれているものとされます.とはいえ,世の中の興味や流行,動向をざっくり眺めるという点において,技術者が読んでも十分に価値あるものだといえるでしょう.私は New York Times (NYT) も読んでいますが,FT は NYT よりも英語表現が簡潔・平易です.NYT を読んでいると毎日よく知らない形容詞が出てくるので辞書が手放せません.どちらか1つだけ取るならFTだろうと思われます.

とはいえ,アプリの画面遷移がネイティブっぽくなく,体験がやや悪いのはなんとかしてほしいところです.この点だけは NYT に軍配が上がります.

Things

体験が良い ToDo アプリです.単にそれだけですが Apple 帝国の中にいる限りにおいて非常に快適に生活できます.

Firebox & Firebox nano

Firebox と Firebox nano を購入して数回使ってみた.どちらもネイチャーストーブとよばれるカテゴリに属し,ワンタッチで組み立てられるのが特徴.微妙に用途が被っているものを2つ買うのもなんだが,デザインの勉強代であり,必要経費だと思うことにする.だいたいキャンプに行くと刃物と火に夢中になって写真を撮り忘れるので,自宅で再現した写真しかない.

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Firebox nano(左),Firebox(右)

どちらも燃料をくべるための穴が2面にあいており,細く割った薪を差し込んで燃やすことができる.薪が燃えて短くなったら内側へ押し込むことで燃焼を持続させる.また,組み立てがワンタッチで済み,思い立ったらすぐ火を起こせるのも共通の利点.うまく使えば 500 mL くらいの湯が沸かせる.

Firebox

荷物に余裕があり,どちらか1つだけ持っていくとしたら Firebox だと思われる.穴の高さは 19 mm で,それなりの太さの薪をくべられるので燃焼が安定する.普通に燃えて普通に使えるので,正直なところ書くことが思い浮かばない.買って損はない

Firebox nano

荷物に余裕がないがどうしても焚火がしたいとき,あるいは追加で数分だけ火が必要になったとき,朝食の調理をするときなどに便利.小さいので,燃えるのも消えるのもすべてが早い.軽くて不安定など,欠点はそれなりにあるが,小回りがきいてカワイイのですべてが許せるチタニウム製のものもあるそうだが,僕の用途では 60g の軽量化に価値を感じなかったのでステンレスのほうにした.登山などする場合はチタニウム製がよいかもしれない.

FRENZ 2018 出展作 'Illum' 制作メモ

新作映像上映イベント FRENZ 2018 に作品を出展しました.観覧いただいたみなさま,ありがとうございました.以下,制作メモです.


着想

今回の作品 'Illum' では,質感と重さのある光の表現を試みた.削れるものは可能なかぎり削らないとコンセプトが弱まるので,イージングも動きも付けていない.

抽象的な作品は要素数で押せないぶん,質感のような別の要素を活用するのはひとつの方法である.抽象画の重要な作家であるパウル・クレーについて,寺門 (1998) *1は次のように述べている.

まず「素描の厳格な輪郭線をほぐす努力」の結果として彼が到達したのは,「転写」によって線の硬さを緩和することであり,またそれによって生じた豊かな表情の線質を殺さずに彩色を施すことだった.

ここでいう「転写」とは,現代でいえばカーボンコピーのようなものである.これは,入力の不完全な再現が質感を付与すると見ることもできる.

単に映像に劣化を与える手法は,擦れやグリッチヴィネットなどで普及しきっている.そこで,一旦映像という枠を外し,仮想的な照明とその動きを表現するという方針を立てた.会場のプロジェクタは非常に明るく,問題になりがちな緑色被り*2や彩度低下*3もほとんどないので,この類のコンセプトにとってはよい環境だった.

仮想的な照明の組み合わせとして映像を表現することは,光を透明水彩のように使うことにもつながる.透明水彩を特徴づけるのは重色技法であり,それを光に読み換えると,照明の同時点灯が最も自然な類推だと考えられる.

制作

線描に質感を与える

線の描画は,ベクタスキャンディスプレイの簡易なシミュレーションを Processing で行っている*4.ベクタスキャンディスプレイとは,簡単にいえばオシロスコープのXYモードのようなもので,ピクセルを左上から順番に描画するのではなく,輝点を画面上で自由に動かして形状を描画するものである.

www.youtube.com

理想的な条件でシミュレーションを行っても,入力の完全な再現が行われるだけで質感は付かない.そこで,この手のものに典型的な欠陥として,輝点の動作に遅れ要素を入れ*5,入力図形の再現性を下げることにする.系の時定数により,図形の崩れ方は下図のように変化する.

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この処理は,四角形の描画だけに適用した.全ての要素に適用すると画面が崩れすぎるし,そもそもベクタスキャンディスプレイでは光の面を作れないので,光の面にこのタイプの歪みを適用するのはモデルとして正しくない.

光に質感を与える

この作業では Blender + Cycles を使用した.

  • 板ポリゴンにテクスチャを貼ったライト(つまり,プロジェクタ)を当てている.ライトの光軸から外れた部分が暗くなり,単なるフラットな図形とは違った質感が得られる.
  • 各図形要素(四角形,縦線,面)を一つのライトから投影しただけでは After Effects でエフェクトをかけるのと変わらないので,図形要素ごとにライトを割り当て,以下のように処理した.
    • ライトを全て異なる位置に置いている.
    • 各ライトは,微妙に異なる色に色被りさせている.
    • 各ライトにそれぞれ異なる量の倍率色収差・ボケを付けている.

レンダリング結果は以下のとおり.このライトの光軸は画面右上にあるので,光軸に近いピクセルほど明るく,また色収差は左下隅に大きく出る.なお,このライトはわずかに紫に色被りさせてある.

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Blender シーンの全体は以下スクリーンショットのとおり,素朴にモデリングした.Blender Cycles では Point Light の size を変化させることでボケの大きさを調整できる.

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キーフレームを打つ

制作段階では,このブログでも何度か登場している Vezér から OSC を経由して Processing にキーフレームを渡して描画させている.書き出し時にはフレームレートを安定させるため, Vezér からキーフレームを XMLレンダリングし,それを Processing で改めてパースしてオフラインレンダリングを行っている.

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制作環境

Processing
Java ベースのデジタルアート用言語.比較的古くからあるのでノウハウが蓄積されているが,一方で Java 特有のつらさも受け継いでいる.8bpc までしか扱えないが,初期段階ではプロトタイプが書きやすいので,油断しているといつのまにか目前に迫った締切に終われて最後までこれで書き切ることがよくある.今すぐダウンロー
Blender
OSSの統合3Dソフト.近年すごい速さで機能とコミュニティが成長している.他の3Dソフトに負けず劣らず操作が独特なのが難点だが,2.8でだいぶ改良されるらしい.
Vezér
OSC (Open Sound Control) や MIDI で他のソフトを制御するためのもの.

*1:http://www-art.aac.pref.aichi.jp/research/pdf/1998/apmoabulletin1998p7-32.pdf

*2:水銀灯を光源に使用したプロジェクタは緑に色被りする

*3:一部のデータプロジェクタでは,全白輝度を上げるために彩度が犠牲になる

*4:Processing では 8bpc の画像しか扱えないので画質が良くない.本当は 32bpc が扱える環境,たとえば OpenGL などで書くべきだったが,時間がなかった.前田地生許してくれ

*5:より直接的にいうと,ローパスフィルタ