Sigma fp を買った

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カメラを撮るカメラがない

概要

Sigma fp を買った.買うときに検討した条件は次のとおり.

  • PENTAX の FA77mm f1.8 Limited を本来の画角で使いたい
  • 毎日持ち歩きたいので,コンパクトなものがよい
  • 見た目が薄っぺらくないものがよい
  • 将来性を考えてミラーレスにしたい

万人におすすめできるわけではないが,合理的に考えればα7IIIを買うべきところをこちらにダイバートさせるだけの独特な魅力があったのも事実.

それにしても,カメラが売れていないらしい.顕示的消費と気軽な撮影の座をすっかりスマホとインスタグラムに明け渡してしまったということだろう.カメラを買っても写真は上手くならないが,スマホを新しくすれば良い画像が作れるわけで,むべなるかな.

使用感

一月ほど使ってみた感想.基本的には発展途上のシステムで,完成された安心感というようなものはない.かなり我慢をして使うことになる.もし本体を売却して別の機種に乗り換えるとしたら,静止画撮影におけるローリングシャッターの強さが一番の理由になるだろうと思う.

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何気ないものを撮るには非常によい

手元にあるレンズは 45mm f2.8 DG DN と FA 77mm f1.8 Limited. 後者はマウントアダプタ経由なのでマニュアルフォーカスかつ絞り込み測光になる.広角側は GR III があり,非常に満足しているのでよほどのことがない限り買い足さないだろう.

Pros

  • コンパクト.
  • SDカードでも FullHD 12bit Cinema DNGが撮れる.
  • レンズキットの 45mm f2.8 DG DN が期待していた以上に良い.
  • 本体がいかにもモダンデザインという感じで好感が持てる.
  • 静止画モードでも波形表示ができる.使ってみると案外便利.

Cons

  • 静止画でローリングシャッタが強く出る.
  • 手ぶれ補正がセンサシフト式ではないので,何も考えずに構図に集中するというわけにはいかない.
  • EVFもチルトディスプレイもない.AFレンズならそこまで困らないが,MFレンズとの組み合わせでは不便なことがある.ビューファインダーの見え味は良いが,かさばって使いづらい.
  • UIは発展途上感がある.
    • TAvモード(絞りとシャッタスピード,露出補正からISO感度を自動で変更してくれる機能)がない.せっかくデジタルで撮っているのだからそれくらい装備しておいてほしい.
    • GR III と比べてタッチパネルやUIの反応が鈍い.
    • ビューファインダーがすばやく取り外せないわりに,フォーカス移動にデフォルトでは2手必要.

マウントアダプタとFA77

FA77 を Sigma fp で使う場合,マウントアダプタが必要.当初中国メーカーの安いアダプタを使っていたが,絞り環と混同しやすい形のローレットが刻んであり,手の感触でわからず不便だなあと思っていたら Novoflex のアダプタ LET/PENT が一瞬安くなったので購入.たぶんアルゴリズムで値付けをしているのだろうが,時々変な値動きをする.

FA77 は古いレンズであるせいか,軸上色収差によるフリンジはかなりひどい.Nikon Z マウントの 85mm はかなり良いらしいので,システムごとそっちでも良かったかなと思うこともあるが,たまにこういう油絵みたいなボケ方の写真が撮れると PENTAX なかなかやるなという気分になる.

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独特の油絵のようなボケ方

せっかくフォーカスリングとフォーカシング機構が機械的に直結されたボケのきれいなレンズがあるので,そのうち三脚に載せて映像に使ってみたい.

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